最近の外国外科
胸腺腫瘍(Thymoma)に就て,他
W. D. Seybold et al.
pp.341-343
発行日 1951年7月20日
Published Date 1951/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200857
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シーボルド氏たちは胸腺腫(Thymoma)を有する45名の患者(男子17名 女子28名)で,年齢16歳から68歳までの者に就て報告している.腫瘍組織の檢査は手術又は剖檢によつて得たものに就て行い,Thymomaなる腫瘍としては,その組織成分の数量的関係に於ては差異があつても胸腺上皮細胞と胸腺細胞とから成つているものを胸腺の特殊腫瘍即ち胸腺腫と定義している.この胸腺腫は34名に於て重症筋無力症を合併していた(75.6%)その中22名は40歳以上で,11名(25%)には手術時にも手術後にも,筋無力症の症状は認めなかつた.
凡て重症筋無力症の患者或はその既往症のある者には一應胸部をレ線で後方から前方に或は一側から他側に檢査をする必要があるのを認めた.又この胸腺腫に特異な点として見られることは必ず前縱隔洞中で大動脈弓及び心臟基底の前方に位しておることである.
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