Japanese
English
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男子生殖器結核の根治手術に就て
Radical Operation of Genital Tuberculosis
楠 隆光
1
Takamitsu KUSUNOKI
1
1新潟大學教授泌尿器科
1Urological Dep't., Niigata Univ.
pp.247-250
発行日 1951年6月20日
Published Date 1951/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200825
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男子生殖器結核は次の樣な特徴をもつている.1)尿路結核の原発病集は殆んど凡て腎であるのに対して,生殖器結核は前立腺,精嚢腺及び副睾丸の臟器に病変が始り得る.2)一旦生殖器の何処かに病変が起ると,速かに全生殖器の系統的疾患となる傾向が強い.3)前立腺並に精嚢腺は骨盤底部にある小臟器であつて,しかもその病変は余り著明な症状を現わさない関係上この二臟器の初期変化を臨床的に発見する事は少なく,臨床的には外部から簡單に触知出来る副睾丸結核のみが目につく.從つて臨床的には一次性の副睾丸結核と考えられる場合にも,実際はその3/4に於て既に前立腺或は精嚢腺の結核が一次的にあり,副睾丸の変化は二次的であるとされている.4)腎結核と異り直接生命の危險に及ぶ事は少ない.
故にこれが治療法としても,1887年Bardenheuerが副睾丸剔除術をはじめて施行して以来,今日迄主として副睾丸の別除のみで満足されそいて,前立腺及び精嚢腺には積極的の外科的操作を加えられなかつた.
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