臨牀例
腸管嚢腫樣氣腫の1例
宮崎 五郞
1
,
德橋 正
1
1國立沼津病院
pp.41-43
発行日 1947年10月20日
Published Date 1947/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200263
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緒言
腸管嚢腫樣氣腫は1825年Meyer,Colquet andDuvemeyに依つて始めて報告され,本邦に於ても1901年に三輪がその第1例を報告して以來,注目せられてゐるが稀有なる疾患である事は依然であり,殊に術前診斷の附せちれた場合は甚だ稀の樣である。その原因としては本症が稀であると云ふ事も大きな原因であらうが,又他面には本症特有の臨牀症状を缺如する事が擧げられよう。
從來の報告を見るに,本症には多く幽門狹窄,小腸及腹膜の炎症を伴ひ,殊に60%の多數に於て胃十二指腸狹窄を合併する。その際心窩部又は他の腹部に發作性の疼痛を訴へ腹壁よりは腸管は彈力性軟に觸れ,輕度の壓痛,胃部膨滿感があり,腹壁緊張等を缺如すると言はれてゐる。
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