書評
László Tabár, Peter B. Dean(著) 南 学(訳)―マンモグラフィ読影アトラス
岩瀬 拓士
1
1がん研究会有明病院乳腺センター
pp.1069
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105197
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
マンモグラフィ検診がまだ十分に日本に定着していなかった20年近くも前のことではあるが,当時我々が癌を強く疑って生検した石灰化の写真を,講演で来日したDr. Tabárに診てもらったことがある.一見多形性,区域性に見える石灰化ではあったが,彼は即座に良性と診断し,生検は不要だろうと答えたことを覚えている.生検結果が良性であったことを知る我々にとっては大変な驚きであったが,経験を積んだ今ならその診断理由をよく理解できる.当時の診断能力の差を思い知らされた貴重な経験となっている.
本書は,そうしたマンモグラフィの教育活動を世界中に展開してきたDr. Tabárの有名な著書「Teaching Atlas of Mammography」の第4版を訳したものである.第4版改訂を機に日本語への翻訳と出版が現実のものとなった.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.