書評
森 正樹,土岐祐一郎(編)―レジデントのための―消化器外科診療マニュアル
國土 典宏
1,2
1東大大学院
2肝胆膵外科学
pp.959
発行日 2013年8月20日
Published Date 2013/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104695
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手に取ってみて,まず持ちやすくて開きやすい診療マニュアルだと感じた.白衣のポケットに入れるには少し大きいかもしれないけれど,病棟や外来,医局の机の上にこんな本が一冊あっても良い.若い世代はスマートフォンやタブレット端末を好むかもしれないが冊子体も良いと思う.
帯に「外科医に必要な知識とデータを凝縮,頼りになるコンパクトガイド」とあるように,消化器外科で遭遇する全領域の疾患をカバーして最新の情報が詰め込まれている.各疾患の診断基準,ステージングやガイドラインなどが要領よくまとめられている.最後に外科的事項という比較的長い項目があり,手術方法などを豊富な図や写真を使い詳細に解説してある.マニュアルだから多くの図は入れにくいだろうというのが常識だが,上手に図をふんだんに入れているところが素晴らしい.膵頭十二指腸切除などの記述は本格的な手術書並である.本書は一部を除き二色刷りだが,他の類書に比べて全体にカラフルな感じを受ける.また,サイドメモが所々にあり,手術のコツや用語の解説が簡潔になされているのも特徴であろう.
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