勤務医コラム・39
外来はヘビー級
中島 公洋
1
1慈仁会酒井病院外科
pp.976
発行日 2012年8月20日
Published Date 2012/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104170
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2月のとある月曜日.月曜朝の外来は忙しい.「echoしてからカメラ!」「ハイ」「ネオファーゲンして血算生化AFPも!」「ハーイ」「紹介状書くヨ!」「ハイッ」「局麻して切開!」「ハイヨ」「ムンテラ,お母さん呼んで!」「ファーイ」「腰椎2方向,MRI空いてる?」「アイ」「hemoみるよ」「ヘーイ」.多種多様の患者さんに医者2人+ナース5人で対応していく.忙しいはずなのに,なんだか今日はスムーズだ.
AM11:00,外来も佳境に入り皆クルクル動いている.そのとき受付のキィ子(第23回)が,診断書の件で外来に入って来るなり,「ワッ,オバサンばっか」とつぶやいて目を丸くしている.私もふと顔を上げてみると,なんと当院の高齢ナース五人衆の揃い踏みだった.いつもは若い人が多いのに,この日に限って病欠・休み・試験などなどが重なり,師長や主任がヘルプに入って,外来はヘビー級だ.彼女らの動きには無駄が全くない.先の先を読んで動くので,どんどん仕事が進む.気の利かせ方が一味も二味も違うのです.これぞベテランの味だ.昼休みに「今日はすごかったね」と言ったら,「どういう意味ですか」とにらまれた.“ヘビー級”という言葉をグッと飲み込みました.
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