特集 外科医のための最新癌薬物療法
Ⅱ章 支持療法
13.疼痛緩和
金井 良晃
1,2
,
黒田 佑次郎
1
,
岩瀬 哲
1
,
中川 恵一
1
Yoshiaki KANAI
1,2
1東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部
2新座志木中央総合病院緩和ケア科
pp.257-264
発行日 2011年10月22日
Published Date 2011/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103814
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世界保健機関が「緩和ケアは疾患の経過の早期から適応となる」と定義づけて久しい1)一方で,治療効果をQOLという主観的なアウトカムで評価しなければならない緩和ケアの領域では,長く信頼性の高い知見に乏しかった.2010年,「転移を有する非小細胞肺癌において,早期からの緩和ケア介入により,QOLも生存期間も有意に改善した」という無作為化比較試験(RCT)の結果が,The New England Journal of Medicineで報告された2).積極的な抗癌治療と緩和ケアが併用されることの有効性が,今後も癌種や病期を超えて証明されていくと考えられる.
本稿では,緩和ケア・緩和医療のなかでも話題を癌疼痛に絞り,近年の動向や基本的な考え方から,臨床家諸兄が遭遇し苦慮しやすいポイントまで概説したい.
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