特集 [臓器別]消化器癌終末期の特徴とターミナルケア
扉
pp.1211
発行日 2010年9月20日
Published Date 2010/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103173
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わが国の死亡原因の第1位が悪性腫瘍であることは言うまでもない.2007年に発効したがん対策基本法においては最重点課題の1つに「早期からの緩和医療」の提供が示され,各地域で院内に緩和ケアチーム,緩和ケア外来設置および実地医家,訪問看護ステーションによる在宅緩和ケアを確立し,円滑な病診連携を可能にすることが求められている.
また,WHOは「緩和ケアとは生命を脅かす疾患に直面している患者とその家族に対し,早期から痛みやそのほかの身体的,精神的,社会的,そしてスピリチュアルな苦痛を予防,診断,治療,ケアすることによってQOLを向上させるアプローチ」と定義している.このことは外科医にとっても重要な課題であり,癌に携わる担当医として,もしくはチームの一員として緩和医療に対する十分な知識の習得と,各疾患の専門医としての癌の特異性に基づいた情報の発信と共有が肝要である.実際,現実に多くの外科医が各癌腫の終末医療に直面し,対処しているのが現状である.
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