書評
柴田 実,八橋 弘,石川哲也(編)「肝疾患レジデントマニュアル(第2版)」
上野 文昭
1
1大船中央病院
pp.978
発行日 2009年7月20日
Published Date 2009/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102636
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『肝疾患レジデントマニュアル第2版』が,このたび医学書院より上梓された.本書の初版は,肝疾患診療に携わる研修医必携の書として絶賛され,4年を経てここにバージョンアップされたわけである.新しい知見を豊富に盛り込み,さらに新たな章立ても見られるためページ数は増加したにもかかわらず,価格が据え置きなのは良心的である.編集者・執筆者に多少の変更があるものの,いずれも実際の診療で患者と共に悩み苦労している肝臓専門医という基本線を踏襲していることが,本書を肝疾患診療のための活きた知識の道具箱としている理由であろう.
明快な構成と随所にちりばめられた多数の図表が,多忙な研修医の理解を容易にしている.若者に媚びるような無駄な漫画やイラストがないのも好感が持てる.冒頭の章,レジデントの心得は,評者も大いに参考にしたいClinical Pearlsである.お説教臭いなどと言わずに,ぜひ心に刻んでいただきたい.
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