Japanese
English
臨床研究
冠動脈血行再建後の消化管悪性腫瘍手術症例の検討
Gastrointestinal surgery after coronary revascularization
北薗 巌
1
,
宮崎 俊明
1
Iwao KITAZONO
1
1国立病院機構鹿児島医療センター外科
キーワード:
虚血性心疾患
,
冠動脈血行再建
,
消化器悪性腫瘍
,
周術期管理
,
抗血栓療法
Keyword:
虚血性心疾患
,
冠動脈血行再建
,
消化器悪性腫瘍
,
周術期管理
,
抗血栓療法
pp.515-521
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102538
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はじめに
近年,患者の高齢化に伴い,心疾患を合併した消化管悪性腫瘍症例に遭遇する機会は増加している.冠動脈病変に対する経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention:以下,PCI)や冠動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting:以下,CABG),オフポンプ冠動脈バイパス術(off pump coronary artery bypass grafting:以下,OPCAB)の血行再建後の非心臓手術では周術期心筋梗塞発生率が低く,悪性腫瘍手術に先行または同時に血行再建を行うことにより,悪性腫瘍手術が安全に施行できると報告されている1).
しかし,虚血性心疾患症例に対してPCIやCABGを施行した際,完全血行再建が達成されていない場合が存在し,そのような不完全血行再建による残存虚血が,非心臓手術での周術期心疾患合併症を惹起すると考えられる.
血行再建後の非心臓手術症例で,その周術期管理について検討した報告例は少ない.今回われわれは,心疾患のなかでも特に虚血性心疾患に対し冠動脈血行再建を行った消化管悪性腫瘍手術症例について術前の心機能評価と周術期管理について検討を行った.
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