私の意見
医局運営について
名尾 良憲
1
1都立豊島病院内科
pp.1224
発行日 1964年11月10日
Published Date 1964/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200572
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最近,どこの病院でも勤務医の不足に困つているが,その根本的原因は医師に対する待遇が不当に悪いことに基因していることは明白である。ただ馬車馬的に多数の患者の診療にたずさわり,そのうえ,保険診療のための明細書の作製に追いまくられているような状態では,個人開業と大差がないので,開業医に転向するものが多いのである。給与を引き上げれば,ある程度の人員を確保することは可能であろうが,これのみでは医師の質的向上を望むことはできない。員数のみならず優秀な医師をうるためには,給与以外の面における待遇の改善をはからなければならない。このためには医局というものについて考えなおす必要があろう。
大学病院では個々の科が一つの医局をつくつており,綜合医局というものはない。これに反して一般の病院では,各科の医師によつて一つの綜合医局がつくられている。なお大病院では,その下に各科の医局が存在しているが,その比重はかるい。
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