Japanese
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特集 十二指腸病変に対する外科的アプローチ
〔外科解剖・生理〕
消化管運動における十二指腸の役割
Role of the duodenum in gastrointestinal motility
田中 雅夫
1
Masao TANAKA
1
1九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科
キーワード:
十二指腸
,
motilin
,
migrating motor complex
,
胃内容停滞
,
全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術
Keyword:
十二指腸
,
motilin
,
migrating motor complex
,
胃内容停滞
,
全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除術
pp.1511-1515
発行日 2008年11月20日
Published Date 2008/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102361
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要旨:十二指腸を切除したときの消化管運動への影響はあまり認識されていないが,全胃温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)後に胃内容停滞がみられるようになって話題となった.上部消化管には空腹期に特徴的なmigrating motor complex(MMC)と称する周期的運動サイクルがある.最も特徴的なのがそのphase Ⅲで,強い収縮波の塊を形成し,回腸末端まで伝播していく.十二指腸から分泌される消化管ホルモンであるmotilinは,空腹期に十二指腸にphase Ⅲが到達したとき血中濃度がピークを描く.十二指腸はmotilinを分泌することによって胃やそのほかの運動を協調させ増強する役目を果たしている.
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