カラーグラフ 外科手術における新しいテクニック―new art in surgery・15
リンパ浮腫に対するリンパ管再建術
光嶋 勲
1
,
成島 三長
1
,
三原 誠
1
,
飯田 拓也
1
,
内田 源太郎
1
Isao KOSHIMA
1
1東京大学医学部形成外科
pp.757-763
発行日 2008年6月20日
Published Date 2008/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102150
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はじめに
リンパ浮腫の治療は保存的療法(マッサージ,圧迫)と外科的治療法(組織切除,直接的または間接的リンパ誘導術など)が行われてきたが,浮腫の長期間にわたる著明な改善は難しいとされている.一方,最近の形成再建外科領域では超微小(神経血管)外科(supramicrosurgery:0.8~0.5mmの血管吻合)の技術の完成によって,きわめて細い神経や血管吻合が可能となっている.この技術を用いた新しい超微血管吻合法の一応用分野として,四肢のリンパ浮腫に対するリンパ管-細静脈吻合術があり,術後15年以上にわたる著明な浮腫の改善例が報告されはじめている.
本稿では,筆者らが現在行っている手術法と,治療効果に関与すると思われる因子につき若干の知見を報告する.
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