Japanese
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特集 Up-to-Date外科医のための創傷治癒
創傷の管理
Perioperative wound management
炭山 嘉伸
1
,
有馬 陽一
1
Yoshinobu SUMIYAMA
1
1東邦大学医学部外科学第三講座
キーワード:
創傷治癒
,
創処置
,
術後感染
,
感染制御
Keyword:
創傷治癒
,
創処置
,
術後感染
,
感染制御
pp.1507-1514
発行日 2007年11月20日
Published Date 2007/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101930
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要旨:外科の歴史は感染との闘いの歴史である.人類は消毒・滅菌による無菌法や抗菌化学療法という強力な「武器」を手にしてきたが,近年誤った使用法による弊害が指摘されている.慣習的に行われてきた,術後の創に対する毎日の消毒・ガーゼ交換といった根拠のない無駄な処置や,創の内部を消毒薬で洗うなどの創傷治癒にとって有害無益な処置は見直しが必要である.術後48時間以上が経過すれば創被覆や消毒は不要で,抜糸が終わるまでシャワーや入浴を禁止する根拠はない.縫合せずに開放されたままの創や,術後の創感染で開放ドレナージされた創の内部には生理食塩水あるいは流水での洗浄と,ウェットドレッシングを原則とする.「本来,キズは放っておいても自然に治るものだ」と認識し,正常な治癒過程を円滑に進ませるべく患者を治療・ケアするように心がけなければならない.
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