外科の常識・非常識―人に聞けない素朴な疑問・46
「傷を濡らしてはいけない」は本当か
岡崎 誠
1
Makoto OKAZAKI
1
1市立伊丹病院外科
pp.1402-1403
発行日 2007年10月20日
Published Date 2007/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101859
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はじめに
傷を直接に消毒剤で消毒してはいけないことは最近,次第に認識されつつあるが1),それでは治癒するまで,あるいは抜糸するまで傷は水に濡らしてはいけないのであろうか.
以下は外科外来でよくかわされている会話である.外傷などで縫合処置を受けた患者が「先生,お風呂に入ってもよいでしょうか?」.先生あるいは看護師さん曰く,「傷を濡らしてはいけません.お風呂は抜糸後にしてください」.かくして,患者は縫合処置を受けてから約1週間は入浴できないことになる.また,傷が化膿して治癒までが長引くと,延々と風呂に入れない.はたして一般に認知されている「傷を濡らしてはいけない」は本当なのであろうか.
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