特集 クリニカルパスによる外科医療の進歩
第Ⅰ部:クリニカルパス導入の実践
クリニカルパス作成の実例
3.乳腺
乳房切除と即時乳房再建術のクリニカルパス
畑山 純
1
Hatayama Jun
1
1大船中央病院外科
pp.75-78
発行日 2003年10月22日
Published Date 2003/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101560
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はじめに
筆者らは乳房再建術を乳癌治療の一環として捉え,チームアプローチで取り組んできた.乳癌冶療は集学療法が基本となっており,更に病期,局所進展,年齢,生活習慣,患者本人の要望などで治療方針が決定される.特に治療の流れの中で乳房の形状をどのように位置付けるかはオプション性も踏まえ大事な要素となっている.筆者の施設で即時乳房再建の適応となった症例の多くは,
1.広範囲な乳管内乳癌
2.乳房温存療法後の乳房内再発
3.多発乳癌
4.局所進行乳癌
5.大型葉状肉腫
などで,乳房温存が困難で患者が形状の再現を希望した場合であった.したがって,治療計画も手術療法のみならず同時進行の化学療法や術後の放射線療法の適応となる症例も含まれ,病態や治療に関する詳細なインフォームドコンセントがクリニカルパス(以下,CP)のスタートに際して必須条件となる.乳房再建に関しては複数の術式が実施されているが,今回は当院で最も多く適応され,またプロセスも複雑である腹直筋皮弁(TRAM)法による即時再建例のCPを示したい1).
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