連載企画「外科学温故知新」によせて・10
器械吻合の発展史
佐藤 裕
1,2
Satou Hiroshi
1,2
1誠心会井上病院外科
2日本医史学会
pp.255-258
発行日 2007年2月20日
Published Date 2007/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101189
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本誌の第61巻6号(2006年6月号,808~809頁)でゼンメルワイスの事績について書いた際(本コラム「手術管理・感染対策―産褥熱の制圧に挑んだSemmelweisの悲劇」1)),文末に「ブダペストを訪れる機会があれば,是非ともゼンメルワイス医学史博物館に足を伸ばしてほしい」という一節を入れたが,ひょんなことから筆者自身が中欧(チェコ,オーストリア,ハンガリー)に旅行することになった.
さて,「日本において最も有名なハンガリー人外科医は誰か?」といえば,ペッツ胃腸吻合器にその名を残すペッツ(Aladár von Petz)であろう.また,以前に外国のある外科学雑誌で,ブダペストの王宮の近くにあるゼンメルワイス医学史博物館(Semmelweis Orvostörténeti Múzeum)にペッツを中心にした器械吻合の変遷がわかる展示があることを見かけたことがあったので,ブダペストを訪れることがあれば是非とも見学しようと考えていたところであった.そして,本年の9月にこの博物館を訪れた際に運よくこの展示コーナーを撮影することができたので,今回はHültlとPetzの顕彰コーナーの紹介を含めて,器械吻合の発展過程を述べる.
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