私の工夫 手術・処置・手順
S状結腸・直腸癌に対する腹腔鏡下切除時の左結腸動脈温存への工夫―腹腔鏡下手術用超音波ドプラプローブの利用
實 操二
1
,
盛 真一郎
2
,
中島 三郎
1
,
下田 仁志
2
,
田辺 元
2
,
小代 正隆
1
Souji SANE
1
1鹿児島県立大島病院外科
2阿久根市民病院消化器病センター
pp.1240-1241
発行日 2006年9月20日
Published Date 2006/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101134
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はじめに
腹腔鏡下大腸・直腸癌手術の適応は拡大しつつあるが,同時に個々の症例に応じた過不足ない血管処理を伴う系統的なリンパ節郭清が必要とされる.しかし,腹腔鏡下手術では触診が行えないうえに,二次元モニター下の拡大視・近接視効果のため全体像が捉えにくく,血管の局所解剖を理解するのに難渋することが多い.特に肥満症例では血管の同定が困難であり,不意な出血などの合併症に遭遇することがある.そのため,術前に3D-CT血管画像を用いて血管の局所解剖を把握することにより,過不足のない血管処理を伴うリンパ節郭清が報告されている1).
われわれはS状結腸癌・直腸癌(Rs・Ra)のD2リンパ節郭清適応症例に対して,術前の3D-CT血管画像診断に加え,術中に腹腔鏡下手術用超音波ドプラを用いることによって,より安全・的確な血管処理が行われるように工夫しているので解説する.
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