特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅷ.四肢・皮膚
97.ばね指
澤泉 卓哉
1
Takuya SAWAIZUMI
1
1日本医科大学整形外科
pp.300-301
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100873
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病態
手指掌側の屈筋腱腱しょうは指の屈曲・伸展運動の際に屈筋腱を骨から浮き上がらせないようにし,かつその効率をよくする働きをしている.構造上の特徴からその靱帯性腱しょうは滑車(pulley)とも呼ばれる.手指の繰り返し動作や機械的な摩擦刺激による炎症により最も近位にある靱帯性腱しょう(A1 pulley)(図1)に浮腫や線維化が惹起されて狭窄し,屈筋腱の疲労現象として滑走障害が生じる.
その基盤にはホルモンを含む体質的な素因や,局所の退行変性があると考えられているが明らかではない.通常は1指または2指に出現するが,多数指に及ぶ場合は慢性関節リウマチ,痛風や糖尿病が素因として関与していることがある.
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