特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅷ.四肢・皮膚
91.下腿潰瘍
阿部 裕之
1
,
舟木 成樹
1
Hiroyuki ABE
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院心臓血管外科
pp.281-283
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100867
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疾患の概念
下腿潰瘍は患者自身の苦悩も多く,病態は多彩であり,治療法を簡単に決定することが困難である.日頃遭遇する下腿潰瘍の大半は血管障害性皮膚潰瘍で,そのほとんどは静脈うっ滞性で,虚血性潰瘍の割合は少ないとされている.長期間自己管理され,感染を伴っている場合もある.下腿潰瘍は静脈圧上昇,あるいは虚血障害などによる皮膚組織の循環不全が主体となり,壊死組織の脱落した状態である.末梢に好発し,趾尖・踵・外果・腓腹部などに多い.したがって,局所の循環不全を改善することが治療となる.最近,高齢者や糖尿病患者の増加に伴い,外来での下腿浮腫,色素沈着など潰瘍予備状態の症例も多く,潰瘍出現以前に治療が開始されることが望ましい.
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