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聖マリア病院は福岡県南の久留米市のほぼ中心地にあります.昭和27年に医療法人雪ノ聖母会が設立され,翌年現在地に聖マリア病院が開設されました.当院の基本理念として,「カトリックの愛の精神による保健,医療,福祉および教育の実践」を掲げています.また,運営方針として,(1)生命倫理の追求,(2)患者様と御家族に焦点をあてた医療 : Patient and Family Focused Care(PFFC),(3)24時間,365日,いつでも応じる救急医療,(4)高度医療と医療,福祉の継続性を重視したケアミックス体制,(5)地域の診療所,病院と連携した保健,医療,福祉の推進,(6)国際医療協力,の6項目を挙げています.病床数1,394床,診療科目27科,医師数321名,看護部門1,087名の総合病院で,総職員数は1,795名の大所帯です.また,初期研修医は44名います.各科とも救急医療を中心とした医療を行っています.
産科においても救急母体搬送,母体救命救急患者などを受け入れています.搬送元は筑後地方を中心に福岡市以南・筑豊地方のほか,佐賀県,熊本県および大分県などの他県の一部からも受け入れています.以前は「決して断らない」が当院のモットーでしたが,交通外傷をはじめとする外科疾患,緊急脳血管外科手術などの救急患者の当院集中化・増加のため,特に夜間などでは手術場スタッフの相対的不足をきたし,新生児センターの受け入れ不能状況も生じ,直ちに母体搬送を取れないことが起こっています.MFICUは12床,後方ベッドは25床あります.妊娠前期の異常妊娠の症例のほとんどは婦人科などの他科の病棟で管理しています.分娩数は最近増加傾向を示し800例ほどとなり,この2年間は120名増加しています.このため,妊娠経過でローリスクとなった妊婦は一次施設での分娩をお願いしています.
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