増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック
Ⅱ. 婦人科編
❶症状・所見からみた疾患鑑別と病態把握《術後急変》
尿量が少ない! ドレーンからの排液が止まらない!(術後出血)
清野 学
1
1山形大学医学部産婦人科
キーワード:
術後出血
,
出血性ショック
Keyword:
術後出血
,
出血性ショック
pp.82-83
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211203
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遭遇しやすい典型ケース
58歳.2経産.多発子宮筋腫に対して子宮全摘術を施行.術後疼痛が強くNSAIDsおよびオピオイドを使用したが十分な除痛が得られなかった.尿量が30mL/時未満であり,ドレーンからは血性排液が多かった.血液ガス分析でヘモグロビン値の低下を認め,術後出血を疑った.輸血をオーダーしつつ造影CT検査を施行したところ,左子宮動脈断端部から造影剤の漏出を認め(図1a),多量の血性腹水が疑われた(図1b).
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