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特集 神経疾患の新しい画像診断2
9.SPECTによる新しい脳機能画像解析法
Newly Developed Techniques for Brain Function Imaging Using SPECT
中川原 譲二
1
Jyoji Nakagawara
1
1中村記念病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Nakamura Memorial Hospital
キーワード:
SPECT
,
quantification
,
statistical mapping
,
superimposed mapping
,
automatic registration tool
Keyword:
SPECT
,
quantification
,
statistical mapping
,
superimposed mapping
,
automatic registration tool
pp.959-966
発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406902025
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はじめに
脳血流SPECT画像の解析技術の進歩により,精度の高い脳機能評価が可能となってきている。現在臨床応用が可能なレベルにある脳血流SPECTの解析技術としては,定量画像解析,統計画像解析,統合画像解析などがあげられる。脳血流SPECTの定量画像解析では,動脈採血を必要とするものの定性的画像診断では十分に判定できない血行力学的脳虚血の重症度評価が可能となっている。脳血流SPECTの統計画像解析では,被検者の脳血流分布の局所的異常や変動を正常群あるいは対照群の脳血流分布に関するデータベースとの間で有意な変動かどうかを統計学的に検証し,有意な変動が見られる領域を標準脳上に定位的画像情報として表示することができる。また,脳血流SPECTの統合画像解析では,個々人の機能的画像であるSPECTと解剖学的画像であるMRI/CTの定位座標系を自動的に統合させ,脳血流の賦活試験などにて脳血流が増加する領域をMRI/CTに重ね合わせることにより高精度の定位的画像情報として同定することを目的として臨床応用されている。いずれの解析技術も従来の脳血流SPECT画像の持つ機能情報の精度を著しく改善させ,精度の高い脳機能評価を臨床にもたらすものである。本稿では,神経疾患の新しい画像診断の一分野として,脳血流SPECT画像の最新の解析技術を用いた精度の高い脳機能評価法について解説する。
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