発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011226906
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2007年1月~2008年4月に腰痛を主訴とした患者で診断基準を満たした13例(男性9例、女性4例)を対象に、脳SPECTを用い、急性腰痛患者7例(男6例、女1例、平均49.7歳)、慢性腰痛患者6例(男女各3例、平均49.3歳)に分け、急性腰痛患者と慢性腰痛患者の脳機能画像を比較検討した。慢性腰痛群は急性腰痛群に比べ明らかに広い範囲で前頭前野背外側部の血流が低下する一方で、小脳や後頭葉の一部に血流の増加を認めた。検討により、脳SPECT検査で前頭前野に広い範囲に血流低下と小脳に血流増加を認める難治性慢性腰痛患者は、むしろ精神科やリハビリテーション科医が介入する領域で、整形外科医や器質的原因の除外のうえで紹介するなど、その道筋をつけることが重要であることが判明した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011