Japanese
English
Neurological CPC・93
若年性パーキンソン病として治療された多系統萎縮症
Multiple System Atrophy which had been Treated as Juvenile Parkinson's Disease
横地 房子
1
,
大熊 泰之
3
,
望月 葉子
2,5
,
小森 隆司
4
,
松原 四郎
1
,
水谷 俊雄
2
,
平井 俊策
1
1東京都立神経病院神経内科
2東京都立神経病院検査科
3順天堂伊豆長岡病院脳神経内科
4東京都神経科学総合研究所臨床神経病理部門
5日本大学医学部神経内科
pp.267-275
発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901922
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症例呈示
司会(神経内科 松原) 本日の症例は死亡時47歳の男性例で,入院中の神経内科の症例検討会でも大変議論になりましたが,このような例をどのように診断するのか,臨床症状と病理所見との関連性など,多くの問題を孕んだ症例と思います。では主治医の横地先生からお願いします。
主治医(神経内科 横地) 主訴は歩けない,排便のコントロールができない,および排尿障害です。既往歴としては6歳のころに虫垂摘除をしています。家族歴では父がうつ病でしたが,類症はありません。現病歴ですが,1989年(36歳),ジョギング中,汗をかいたときに左手が右手よりも冷たくなったことがあり,G医大を受診しましたが診断がつきませんでした。39歳頃までに体重が10kg減りました。また,左足を引きずるようになりました。同じ頃,ゴルフ中にボールが右のほうへ飛ぶのに気がつきまして,同年再びG医大を受診し,Parkinson病(PD)と診断され,L-dopa/benserazid投与が開始されました。その結果,走るのが楽になり,自覚的には薬が有効でした。1996年,仕事の都合でJ大神経内科で治療を継続することになりました。外来主治医によりますと,L-dopaが有効で,明らかなwearing-offがあり,体幹をゆするような不随意運動が認められました。1997年始め頃から,どもるようになり,自己判断で抗パーキンソン病薬を減量したところ転倒しやすくなりました。
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