Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
虚血性脊髄障害を呈し高磁場で確認し得た脊髄硬膜動静脈奇形
Spinal Arteriovenous Malformation with Ischemic Myelopathy Diagnosed on High Field-strength Magnetic Resonance Imaging
宮田 榮三
1
,
木村 彰宏
1
,
野村 昌代
1,2
,
山本 纊子
1
,
庄田 基
3
1藤田保健衛生大学神経内科
2大同病院神経内科
3藤田保健衛生大学脳神経外科
pp.78-79
発行日 1999年1月1日
Published Date 1999/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901389
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近年,MRIの進歩により脊髄病変の検出は容易になったが,磁場密度および撮影条件の差によって所見に相違が生じることがある。今回われわれは,低磁場MRIでは確認できなかったnidusが高磁場MRIで検出されたことにより診断し得た脊髄硬膜動静脈奇形(AVM)の1例を経験したので報告する。
症例は68歳,男性。主訴は,両下肢脱力,1996年初めより両下肢筋力低下を自覚。5月より起立困難となり,排尿困難も出現したが放置。7月21日転倒後,歩行困難となり,近医に入院した。左下肢遠位筋優位の中等度の筋力低下,第12胸髄以下の感覚鈍麻を認めた。脊髄病変を疑い,0.5TのMRIを施行したところ第7胸髄以下にT2強調像で境界不明瞭な高信号域が認められ,同部において脊髄表面に一層の淡い造影剤増強効果が認められた(図上段)。髄液検査で軽度の総蛋白増加と細胞増多が認められ,脱髄疾患を疑いステロイドパルス療法を施行した。いったんは症候の改善をみたが,入浴後に再び脱力が増悪したため,9月5日当科に転院した。
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