Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
髄芽腫に対する補助療法の治療効果は,それらの適応によって腫瘍内に発生するフリーラジカルを介して発揮される。したがって,その消去酵素の存在が治療効果を大きく左右する。髄芽腫患者の生命予後を予知する確かな指標がないことから,著者らは独自に開発したポリクローナル抗体を用いて,腫瘍組織中のMn-SODを免疫組織化学的に検索し生命予後との関係について検討した。髄芽腫11症例の腫瘍組織をPAP法で免疫染色し,Mn-SODの発現率を検討した。Mn-SOD発現率と患者の予後を比較検討すると,予後良好例では5〜41%,予後不良例では47〜67%の発現率であった。発現率25%未満の症例の生存率は3年(100%),5年(100%),9年(100%)であり,発現率40%以上の症例の生存率は3年(75%),3〜4年(50%),4〜5年(25%),5〜10年(25%)であった。したがって,髄芽腫組織中のMn-SODの発現率を免疫組織化学的に測定することは,患者の生命予後を予測するうえで良い指標となる。
There in no clear indicator for making a progno-sis in patients with medulloblastoma. The effects of adjuvant therapy on the tumor are exerted through free radicals that emerge in the cytoplasm of tumor cells following chemotherapy and/or radiotherapy. Thus, free radical scavengers, such as superoxide dismutase (SOD), in tumor cells may antagonize the effects of adjuvant therapy.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.