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Morgagni症候群(本症候群)の1例についてとくに前頭骨内面骨過形成(HFI)のMRI所見を中心に報告した。症例は入院時82歳の女性。高血圧,慢性頭痛および高度肥満の既往がある。入院時,不眠,失見当識,記銘力低下,痴呆,夜間せん妄,下肢の深部反射低下,尿失禁,上方視制限など多彩な症状を認めた。ホルモンを含む臨床検査所見は全て正常範囲内。脳波では基礎波の後頭優位性および出現量は共に不良で軽度に徐波化。頭部CT像では前頭骨が左右共に内側に向かって凸レンズ状に突出し,同部のMRI像では前頭骨内板と異常過骨とが明瞭に区別された。本症候群に関する報告は少なく,精神症状,脳波,ホルモン代謝などについて検討した報告は散見されるが,本症候群の最大特徴であるHFIの構造自体に焦点を当てた報告はほとんどない。ここでは,稀と思われるHFIのMRI像を提示し,その形成機序や原因などについて若干の考察を加えてみたい。
We report a patient with Morgagni syndrome. The main aim of this paper is to discuss hyperos-tosis frontalis interna (HFI) and coexisting clinical feature and to describe the pathomorphology in detail on the basis of MRI images of the skull. The patient, a woman, was 82 years old when she first came to our hospital.
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