Japanese
English
総説
高齢者の脳循環制御
Cerebral Circulation in the Aged
高木 繁治
1
,
篠原 幸人
2
Shigeharu Takagi
1
,
Yukito Shinohara
2
1ハイメディック山中湖画像診断センター
2東海大学医学部神経内科
1HIMEDIC Imaging Center at Lake Yamanaka
2Department of Neurology, Tokai University School of Medicine
キーワード:
cerebral blood flow
,
aged person
,
aging
Keyword:
cerebral blood flow
,
aged person
,
aging
pp.924-933
発行日 1994年10月1日
Published Date 1994/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900693
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はじめに
健常者の脳血流と年齢との関係は,Ketyら22)がN2O法を用いた諸家の成績を文献的に検討し,脳血流は青年期には加齢とともに急激に減少し,以後はゆるやかに減少を続けると報告している。これ以降脳血流と年齢との関係について表1に示すように多くの報告がなされている1,2,6〜20,25,29〜33,36〜42,46〜49,51,52,55,57,58,60〜63)が,とくに中年以後は脳血流が加齢に伴い減少するとする報告が多いものの,不変とする報告もあり,まだ一定の結論が得られていない。また,これらの報告のうちでも高齢者の脳循環に注目した報告は少ない。本稿ではまず正常高齢者の脳循環を論ずる際の問題点を指摘し,ついで年齢と脳循環についての著者らの考え方を紹介し,さらに加齢と脳循環とくに高齢者について検討した成績を紹介したい。
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