Japanese
English
特集 脊髄上行路の機能解剖
脊髄誘発電位と感覚伝達
Spinal Cord Evoked Potentials and Sensory Transmission
傳田 定平
1
,
下地 恒毅
1
Sadahei Denda
1
,
Koki Shimoji
1
1新潟大学医学部麻酔学教室
1Department of Anesthesiology, Niigata University School of Medicine
キーワード:
spinal cord evoked potentials
,
sensory transmission
Keyword:
spinal cord evoked potentials
,
sensory transmission
pp.1155-1165
発行日 1990年12月1日
Published Date 1990/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900133
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はじめに
脊髄誘発電位は最初,Gasser & Graham1)がネコの後根を刺激して脊髄背面から記録した。この電位は初期陽性3相性スパイク電位とそれに続く緩徐な陰性—陽性電位から成る。以後,脊髄背面電位等はカエル2),ネ3)〜5),猿6),家兎7),犬8)ラット9)10)の脊髄から記録されてきた。刺激する神経も後根1)11,14),皮膚神経15)〜18),筋神経19)〜23),混合神経15〜24),内臓神経25),26),交感神経25)と多岐にわたっている。
ヒトの脊髄誘発電位は1951年にMagladeryら27)がボランティアのクモ膜下腔に挿入した電極より,後脛骨神経を刺激し導出したのが最初である。彼等は"initialpositive dip"とそれに続く陰性電位"S potential"を導出し,これがおそらく脊髄後角の電位であろうとした。同法は脊髄損傷の危険を有するためその後同様の検索はなされていない。
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