海外文献抄録

Metoclopramide-induced Parkinsonsim—Clinical characteristics of ten cases./ Indo, T. & Ando, K./Arch. Neurol.,39:494-496,1982.

Metoclopramideによるパーキソン病−10例の臨床的特徴

　1970〜1979年の岐阜県多治見病院における282例のparkinsonism中168例（59.5％）はparkinson病；33例（11.7％）は薬物によるparkinsonism,32例（11.3％）が血管性parkinsonismであつた。この33例中18例で原因の薬物が解つた。すなわち，Metoclopramide （商品名Primperan）10例，Sulpiride2例，　Reserpine2例，PhenothiazineおよびButyrophenon4例であつた。10例のMetoclopramideによるparkinsonismは44〜71歳で，男3例，女7例で，悪心，嘔気，食欲不振，胃部不快感などのために3週間から2年にわたり1日30mgのMetoclopramide hydrochloride （Primperan）の投与を受けていた。

　Metoclopramide投与はparkinsonismの症状が出現してからも数カ月にわたり投与されることがしばしばであつた。2例では経口投与の外に注射も受けていた。