書評
—太田 邦夫(東京都老人総合研究所長)・村上 元孝(東京都養育院付属病院長) 監修—神経と精神の老化
吉川 政己
1
1東京大学
pp.695
発行日 1978年6月1日
Published Date 1978/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204266
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エイジングにともなう神経と精神の生理的老化ならびに種々の疾患の問題は,老年医学および老年学の大きな課題であり,実社会との関連もきわめて深いことはここに述べるまでもない。老年者の神経・精神領域に属する個々の課題については論文や書物が内外に多数あらわれているが,神経と精神の老化の問題を全体的にとらえて高い水準で整理した書物は意外に少なく,本書は1976年のユニークな出版物となるものと思われる。
「神経と精神の老化,Neurological and PsychiatricBasis of Aging」は監修ならびに編集者でも示されているように,東京都立養育院における付属病院と老人総合研究所の方々を中心として,これに数名の医学者が参加され,合計37名の専門家が執筆している。本書でとくに分担がよく調整され,それぞれの課題で多数の文献が新しい年代までよく整理されているのは,序にあるように大部分の執筆者が,「神経と精神の老化」という長期的研究プロジェクトを組まれて研究活動を進められているためとも思われる。
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