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編集後記
平山 恵造
pp.460
発行日 1977年4月1日
Published Date 1977/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204061
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ある国立大学医学部教授の話であるが,「医学部の学生の中には,成績以前の問題として,医者に不向きな学生が1割ほどいる。」という主旨のものを読んだことがある。この成績以前の問題とは,性格,ものの考え方,人柄,人生観といったもので,難かしくいえば哲学,倫理学に通ずる問題である。今日のように,心理検査,適正テストやコンピューターの発達した時代において,そのような成績以前の問題を何とかチェックできないものだろうかと考える。
最近,学習塾など進学に関する異常なまでの過熱状態が,新聞の第一面にも載るようになり,一方においてそれに対する批判も強くなっている。この根底にある偏向学歴主義が,成績以前の問題に影響しているかもしれない。ある二,三の人と話して,異常過熱の冷却法の名案は出なかつたが,「結局のところ,知能,技能があるレベル以上にあれば,あとは体力と,そして気力の問題である。」という結論に達した。
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