--------------------
編集後記
平山 恵造
pp.833
発行日 1976年8月1日
Published Date 1976/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203932
- 有料閲覧
- 文献概要
論文の引用のしかたは,その著者の学者としての人をあらわすといわれている。引用論文の不備は,著者の今後の努力次第で,いくらでも改善,進歩するものであるから,これについては特にここでは話題にしない。残念ながら,そのようなものと性質を異にするいくつかの問題がある。
第1の最も問題なタイプは,当然に引用すべき(特に我国の人の)論文を引用しないものである。うかつに知らなくて引用しなかつたのではなく,故意に引用しなかつたととれる種類のもので,そうすることによつて,自己の着眼点の優秀性を,あるいはその分野での自己のpriorityを主張しようとするためであろうか。元来,論文というものは,他人のpriorityも認め,自分のpriorityも認めてもらうのがスジである。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.