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編集後記
塚越 廣
pp.710
発行日 1976年7月1日
Published Date 1976/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203917
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- 文献概要
「神経内科」という診療科名が正式に認められたのは,昨年6月25日であつたから,あれからもう1年経つたことになる。それまでは特定の大学病院の特殊な診療科名にすぎなかつた神経内科の名称が,この1年間に多くの病院の診療科名としてかかげられ,「神経内科」が(脳)神経外科と同じように普及する日もそう遠くはないように思われる。10年前は「神経内科」と言うと何となく異和感を感じないでもなかつたが,最近ではそういう感じもしなくなつた。
神経内科は神経学neurologyを専攻する専門科のことであり,「神経科」としても支障はないわけであるが,我が国では「神経科」という名称が,しばしば精神科と同義に用いられる傾向があり,患者さんにも医師にも不便を与えてきたのを改善する意味で,「神経内科」という名称が自然に普及してきたものである。昨年度の医療法改正でこの名称が公認されて以来,「神経内科」が一般的に用いられる傾向が強いようであるが,また一方では神経疾患を扱う専門部門として「神経科」を名乗つている所もあり,「精神神経科」と称して精神科と共に神経学領域に力を入れている所もある。さらに一般内科と呼称しながら主して神経学を扱つている所もあつて「神経内科」だけが大手を振つて歩いているというわけでもなさそうである。
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