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編集後記
大橋 博司
pp.795
発行日 1975年7月1日
Published Date 1975/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203745
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七月号をおとどけする。今はうつとうしい梅雨の季節だが,読者が本号を手にされる頃はもう暑い夏の盛りだろう。とりわけ京都の夏は耐えがたい。冷房効果の上らぬ研究室でまたこの夏を過さねばならないかと思うと,いささか憂うつである。
季節の推移と病気の関係を重視した人々は多いだろうが,古いところではとくにヒッポクラテスが挙げられよう。彼の筆になるといわれる「神聖病」の中で,著者が本病—つまり"てんかん"—が脳に起源をもつことを指摘したのは周知のところであろうが,同時に,湿気を帯びた南風の吹く頃がこの病気に最も悪い,といっている。この時期には脳そのものも一そうじめじめと湿り勝ちになる,というのは素朴な感覚としては全く同感できる。
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