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7th international congress onsuicide preventionは1973年8月27日〜30日の期間,アムステルダムで開催された。これは国際自殺防止協会の大がかりな集いで,各国における自殺の実態,研究,防止活動を交換し合う,いわば自殺学の学会のようなものである。現在この会の名誉会長はウィーンのE.リンゲル教授,会長はロサンゼルスのN.L.ファーブロウ教授であり,いずれも著名な自殺学者であるとともに自殺防止活動の中心的存在になつている学者である。今回の会議では,1971年から3年間会長をつとめたロンドンのE.ステンゲル教授の追悼をかねる不幸な事態を生じた。しかし会議は活発に,有意義に進められ,その全容がProceedingsとしてSwets& Zeitlinger B.V.(Amsterdam,1974)から出版された。本著には80数篇の報告が掲載され,小文字で661頁にものぼる実り豊かな内容をもつている。
報告は1部(自殺行動の特徴と要因)と2部(自殺行動の治療と取扱い)に分れ,1部には,自殺行動の本質(2篇),自殺行動の予告(14),自殺の年齢的特徴(6),自殺行動の疫学的研究(10),自殺行動・人格障害・行動異常(4),施設における自殺(2),自殺行動の社会文化的研究(3),特殊研究〔癌患者,性周期など〕(4),症例検討(2),自殺者の近親者(2)がおさめられ,2部には,各種機関における自殺行動の取扱い(9),自殺の恐れある者の集団療法(5),ヴォランチアの役割(6),自殺行動とうつ病の薬物療法(5),特殊研究〔倫理,地域研究など〕(8),自殺防止とマスメディア(2)が含まれている。
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