技術講座 病理
免疫染色におけるアーチファクト対策
堤 寛
1
1東海大学医学部病態診断系病理学部門
pp.1227-1234
発行日 2000年9月1日
Published Date 2000/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905603
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新しい知見
MIB-1が分裂細胞にしか染まらない,切りおいたp53蛋白の陽性対照切片の染まりが悪い,凍結切片用の抗体でパラフィン切片に眠る抗原を目覚めさせてみたい,腎生検のパラフィン切片で免疫グロブリンや補体の沈着を証明したい,ミオグロビンがうっすらと陽性に見えるが,横紋筋肉腫と判断してよいかどうかわからない,EMAが骨髄組織に陽性だが転移性癌とみなしてよいか,黒色腫に対する免疫染色でDAB発色によるHMB45反応性がわかりにくい,リンパ節の周辺部のみがリンパ球表面マーカーに染色されており判断に困る.本稿がこうした悩みに対する解答になれば幸いである.免疫染色のアーチファクトは古くて新しいテーマであり,技師諸氏のみならず医師(病理医)も精通していたい点である.
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