- 有料閲覧
- 文献概要
マニアとうつ病とに特異的な生化学的異常は確立されていないが,monoamines, nored, dopamine, se—rotonin等がムードや行動に深い関係あることは確からしい。著者らはaffect systemにおいてmaniaはcentral serotonergic predominanceであり,depressionはcentrol cho—linergic predom.であるという説を樹てようとしている。まずadre—nergic=cholinergicのbalanceで心拍,消化管運動,瞳孔,挙動などが変り,Carlton一派に従えば中枢のcholinergic activationでdepre—ssant inhibitory効果があらわれ,anticholinergicないしadrenergic刺激は behaviour activation, arou—salを招くというし,Fibiger一派もcholinominetic剤はself-stimula—tion抑制,運動性低減を括くが,この際sympethicomimetic剤を用いると回復するという。臨床的にもamphetamine系剤は中枢でdopa—mine, noradを遊離させてadrene—rgic predominanceにするに反し,Ritalin, physostigmineの作用は相反することが知られている。またreserpineは中枢のnoradを減少せしめdepressionに傾ける。しかし他方中枢のcholinergic activityを亢進させるので,ヒトではchol—inergic predominanceに傾け,流涎,胃液分泌亢進,悪心嘔吐,ゼンソク増悪,下痢その他の症状を招く。trycyclic antidepressant はうっ病に大変奏効するが,monoamineavailabilityを亢進せしめる。これはaffective disorderはadrenergicであることの一証左になろう。atro—pine, scopolamineはヒトでもanti—cholinergic従ってantidepressantである。levodopaがParkinson病に奏効するが,線条体はacetylcho—line, dopamineに富む筈なのにParkinsonではdopamineが減少あるいはdopamine receptorが遮断されており,従つてcholinergicの過機能となる。dopamineの先駆物たるlevodopaはそういう意味でPに有効である。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.