書評
—Shiro Igarashi and Toshiro Kamiya 著—Atlas of the Vertebrate Brain」—Morphological Evolution from Cyclostomes to Mammals
藤田 恒夫
1
1新潟大学
pp.1681
発行日 1972年12月1日
Published Date 1972/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203249
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脊椎動物の脳の標本を集めて,その肉眼的な外形と代表的な断面の顕微鏡像を示したこのアトラスは,まことに堂々たる出版というにふさわしい。このアトラスのプランは,1967年若くして世を去られた故細川宏東京大学教授によって1960年頃からすすめられ,その一部(ゴリラ等)は,すでに論文として同教授により発表されたものもある。また,毎年正月に,えとにちなんで動物の脳の特徴を"医学のあゆみ"に随筆風に書かれたものも,同じ標本に基く所見であつた。
細川教授の遺志を継いで五十嵐至朗,神谷敏郎の両氏によつて,さらに非常に多くの材料が加えられ,結局,両氏の10年がかりの努力でこの本が完成したことはまことに喜ばしく,地下の細川教授もどれほどか喜んでおられることであろう。
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