海外文献
supranuclear palsy,他
Mendell, J. R.
,
Chase, T. N.
,
Engel, W. K.
pp.1138
発行日 1970年10月1日
Published Date 1970/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202790
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L-DopaがParkinsonismに奏効するとわかって中枢神経機能の同様疾患にひろくつかわれるにいたつた。Wagshul (Lancet 2: 105,1969), De Renzi (ibid 2: 1330,1969)がprogressive supranuclear palsyに有効であると報じている。著者例は52歳男,1958年から歩行に強直と緩徐とを気づいた。1961両側ptosis,軽度dysarthria,1963眼球外の運動制限,1964左上肢static tremorこれらはだんだん進行している。さて入院時bradykinesia, facial masking,自発運動欠如,両proptosis, volitional-pursuit眼運動制限,筋toneやや上昇,腱反射亢進,Bakinski両側(+), tremor, EEGはmild diffuse slow wave, HVA 2 mg/ml (髄液)で著しく低下。そこで本症と確認, L-Dopa1.7g/day, 6w (D, L—α—methyldopa hydrazine併用),1wですぐ効果あらわれ,L-Dopa 1.3mgが至適となりbradykinesia消失,9m歩くのに19秒(治療前54秒),起立可能,tremor消失,volitional-pur—suit眼運動改善,書いた字はよくわかる。HVA 188 mg/ml (対照31±5.1)。
本症にL-Dopaを用いたものは少なくないが,tremorがよくならないとか,とにかく有効というのは上記2報告(3症例)のみだが,本例は薬効を奏したといつてよい。
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