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著者らは腰椎間板のhalothane麻酔で,CSF圧上昇(平均49.7mmH2O)をみた。そこでGlasgow大学脳外科で34例の開頭術についてpremedicationアトロピン0.6mg,ペシジン50mg,サイオペントンーフローセンーサクシンで気管内麻酔,笑気一酸素で調節呼吸,ここで開頭し,側脳室内圧を調べる。患者はglioma,癌転移, meningioma,hematomaなど。まずnormocapniaで,笑気—O2下で初圧300mm以上は4例だがspace-occupying le—sionだから正常(117.9±61.6)より有意に(P<0.001)高く平均192.5±99.4mm。フローセンが入つたあとは平均239±106(23-612) mmのCSF圧上昇。これはtrichlorethyle—ne,methoxyfluraneも同じ。400mm以上も高まつたのは前頭疾患6例(初圧<300)。PaCO2は35〜45mmHg,体温を35℃以下に下げるとPaCO2低下するので30 mm以下は検査から除外した。
しかしhypocapneaがCSF圧上昇に関係あることは興味ふかい。ハロセーンでいえばPaCO219mmHgでCSF圧206mm上界,32 mmHgで33mm上昇,33mmHgで217mm上昇(低体温法)というぐあいである。35mmHg以上ではPaCO2と圧上昇との間に関連なし。血圧はハロセーンで23.6±11.3mmHg平均低下する。中心静脈圧には著変なかつた。CSF圧上昇の機序は明らかでない。フローセンなどは脳血管拡張をまねき脳血流を増やすからSagital-sinus圧を高め,おそらく脳内血量を増加するだろう。space—occupying lesionではCSF通路を狭ばめ,脳血管増加と相倹つてCSF圧を高めるのであろう。
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