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筋ジストロフィーの鬱血乳頭,他
Muscular dystrophy, alveolar hypoventilation, and papilledema.,他
McCormack, W. M.
,
Spalter, H. F.
pp.64
発行日 1967年1月1日
Published Date 1967/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202163
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重症呼吸不全で網膜病変の起こることは有名だが,これは脳内血行の変化,そのCO2蓄積によるという説が強い。したがつて呼吸を改善させうれば網膜症は軽快する。CO2過剰,網膜症を合併する疾患は2群にわけられ,そのうち大部分は慢性気管支炎・肺気腫の群で,石炭鉱山工夫にいわゆるpulmonary papillede—maが見出されたのは周知のところ。最近は慢性気道閉塞で網膜症の発現することが注目されている。第2の群はalveolar hypoventilationで肺には異常なく,CNS障害から来る低呼吸能で,高度肥満,Pickwickian症候群,ポリオ,motor neuron diseaseなどである。筋ジストロフィーも呼吸筋障害で同じhypoventilationを招きうる。myotonic dystrophyでは網膜症という報告はない。著者は26歳白人男子,4歳の時から筋ジストロフィーあり。最近視力衰う。来院時肺活量1513cc,動脈血Pco2正常最低。両視力20/40,papilledema高度(8-10diopter)。チアノーゼ軽度。人院中,肺活量250cc,Pco2 93mmHg,pH 7.33,CSF圧600mmH2O,ここでIPPBを10分ずつ10分間隔で行なうと,CSF圧は低くなり,Pco2は変化少ない。網膜血管の直径は変化少ない。動脈血O2飽和度低下より,Pco2上昇が脳および網膜血流に大きい影響をもつ。これは脳血管抵抗増大,ついで血流量減少ということになるのであろう。CSF圧がかくして上昇しpapilledemaが起こる。筋ジストロフィーではhyper—capniaに注目の要あり。
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