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連載 電子顕微鏡による脳の形態学アトラス・5
神経節
ganglion
山本 敏行
1
1東北大学医学部解剖学教室
pp.860-868
発行日 1966年9月1日
Published Date 1966/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202102
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神経節細胞の胞形質は,核を包む主要部分(核周部Perikaryon)と,それから出る突起(神経線維)とから成り,核周部は外套細胞satellite cellに,また線維はシユワン細胞によって,すき間なく被われている。
核周部内には,いろいろな細胞小器官が豊富に観察される。扁平嚢状の膜の表面に,RNAを含む小顆粒(ライボゾームribosome)を付着させた粗面小胞体の集塊は,光線顕微鏡下のニッスル小体に一致するものである。ライボゾームを持たぬ膜の集合から成るゴルジ装置は,核周部のところどころに散在性に分布し,糸粒体もまたいたるところに多数見いだされる。直径0.1μから時に1μにも及ぶ電子密な小体の一部はリポフスチン顆粒であり,また一部は,おそらく加水分解酵素に富むところのライソゾームlysosomeであろう。これらの有形成分の間をうめる部分は,神経細線維neurofilamentと呼ばれる微細線維により占められている。鍍銀光顕標本に見られる神経原線維neurofibrilは,電顕的には認められない。
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