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特集 脳の電気活動と行動
発作波と行動
Seizure-Discharge and Behavior
中尾 弘之
1
1九州大学医学部神経精神科
pp.161-166
発行日 1966年2月1日
Published Date 1966/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201994
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I.海馬における異常脳波と学習行動
海馬は記憶に関係の深い部位であつて13),動物が学習行動をしているあいだの,海馬正常脳波にみられる変化が分析され,海馬脳波と学習との関係が論ぜられている1)2)6)7)。これらの研究は,海馬脳波の一定の変化が学習行動の遂行に不可欠であるかのような印象をわれわれにあたえるが,その一方,海馬を刺激して海馬に後放電をおこしても,この異常脳波は動物の学習行動の学習を障害せず5),またその遂行を障害するとはかぎらないという研究がある8)12)。
私は,海馬のほか,扁桃核,中隔,帯状回,あるいは視床下部を刺激して海馬に後放電をおこしても,そのあいだ,動物の学習行動の遂行が障害されないばあいがあることを説明したい。
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