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p.c. は脳圧亢進・乳頭浮腫を呈し,肥満した若い,月経異常などある娘に好発するので,内分泌機能がひとつの重要因子と思われる。Addison病にp.c. がおこつたというのもそれをうなつかせる。副腎の慢性機能櫛制がp.c. 症状を合併することになりそうで,著者はコーチコイド長期使用で起こった4例を報告しているが,文献にはこれと別に24例ほどの症例がある。著者第1例は9才少年,2才頃からアレルギー性鼻炎,ぜんそくあり,主にプレドニソン治療を受ける。入院6ヵ月前トリアムツノロン内服。入院7週前より前頭痛・複視・両側乳頭浮腫があらわれる。入院後トリアム中止,ACTHに変え,症状軽状。第2例は少年2才,アタキシーで起立歩行できず嘔吐あり,四肢tremorあり,眼振(+)。髄液圧140mm,蛋白10mg%。急性小脳アタキシアとしてプレドニソロン投与,改善。3才,プ7.5mg持続。4才,肥満す。嘔吐あり入院。両側乳頭浮腫,足にアタキシー,四肢にtremorあり,レ線で脳室異物なし。プ中止して6〜7才に症状去る。第3例は7才少女,6.5才のとき嗜眼症にて入院。リウマチ熱としてコーチコイド3ヵ月投与。軽快。再発しふたたびコ投与。入院前に悪化・嘔吐・歩行困難,乳頭浮腫,髄液圧350mm,Pandy(—)。尿素投与で髄液圧低下EEG上δとθ波多し。コ中止で軽快。第4例は少年,2.5才,ネフローゼにて入院。コ治療1年,尿アルブミン(++++)。7才乳頭浮腫にて再入院,骨粗鬆があつたのでプ減量,EEG界常あり。著者例以外の文献報告24例でも平均7.5才で小児期に限られ,またプレドニソンかトリアムシノロンを平均3.5年連用して発病している。したがつてCushing症状をある程度そなえている。カロティンの血中濃度上昇という例があり,ビタミンA中毒でp.c. を惹起するから,ビタミン代謝障害が一因をなすことも考えられる。
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