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書評
—Donald B. Tower著—てんかんの神経化学—Seizure Mechanisms and their Management
Neurochemistry of Epilepsy
和田 豊治
1
1弘前大学
pp.57
発行日 1961年1月1日
Published Date 1961/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201029
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- Abstract 文献概要
てんかんに関する神経化学的研究は今までに断片的に発表されて来たが,今回初めて一書となつて基礎.臨床の両面から検討されたのが本書である。然も本書は,現在Natio-nal InstitUte (Bethesda)の神経化学部主任である著者の長年にわたるてんかんの生化学的研究の綜合であるとともに,神経生理面と密接な関係にある生化学的研究業績も余すところなく紹介しているが,その視野の広さにもかかわらず250頁余の本文と豊富な索引の小冊によくまとめられているのが特色である。
内容は6章よりなる。即ち第1章では過去の古い知見を一顧するとともに,現在におけるてんかんの基本的問題を神経化学の面から概観している。第2章以下は基礎に横たわる化学的問題の内容を具体的に分析検討しているが,まず第2章では脳内酸化機転を述べ,第3章ではアミノ酸代謝とVitamin B6,そしてそれに関連して葡萄糖の代謝過程をとりあげている。第4章では脳内の電質解の問題,特にそれと神経細胞におけるimpulseの伝導とpoten-tialとの相関を,acetylcholineを中介として詳述している。
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