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防腐劑研究の新方面
相磯 和嘉
1
,
柳澤 文德
1
1千葉大學腐敗研究所
pp.256-261
発行日 1951年12月15日
Published Date 1951/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200969
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まえがき
冷藏,冷凍の技術,施設が充分に發達し,鑵詰食品が普及しその上,食品衞生の知識が民衆の間に浸透して居る國では,防腐剤で食品を貯藏する研究はさ程重要ではないかも知れない。併し例えば我國の如く食物保存の技術,施設が質量共に不足し,食生活の水準が低い國にあつては,食糧の貯藏法としてばかりでなく日常食品の短期間の補助的の保存方法として,防腐剤乃至殺菌保存剤の使用は避け得がたい要望である。
特に我國は魚介類,農産物及び其の加工品の利用が壓倒的に多く,其の種類も種々雑多で製造の規模も手工業的のものが大部分であるので,高温多濕の季候の惡條件と相俟つて,春から夏,秋の長期間に亘つて日常食品の安全確保を非常に困難なものにしている。
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