学会抄録
―第10回筋電図学会総会シンポジウム―骨格筋の筋緊張
清原 迪夫
1
,
河村 洋二郞
2
,
岸 欣一
2
,
藤本 順三
2
,
船越 正也
2
,
内海 貞夫
3
,
白鳥 常男
4,10
,
片寄 一男
4
,
長谷川 国男
4
,
高倉 一夫
4
,
野木 一雄
5
,
山上 照寿
5
,
杉浦 嘉功
5
,
内堀 勝史
5
,
伊井野 賢一
5
,
楢林 博太郞
6,8
,
島津 浩
9
,
藤田 安一郞
9
,
陣内 伝之助
7
,
沼本 満夫
7
,
奥村 修三
7
,
近藤 正美
7
,
平本 照彦
11
1東大生理
2阪大歯学部口腔生理
3奈良医大耳鼻科
4東北大武藤外科
5大手前病院内科
6順天堂大学神経科
7岡大陣内外科
8田園クリニツク
9東大脳研生理
10東北大武藤外科教室
11京都府立医科大学整形外科教室
pp.883-886
発行日 1958年12月1日
Published Date 1958/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200739
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1.筋電図からみたrigidity,spasticity
筋緊張について筋電図の面からみると,正常筋緊張は正常筋電図の諸性質をもち,異常筋緊張はそれからの偏倚(異常筋電図波形の出現と異常な現われ方)として観察される。一般に筋緊張は他動的伸屈操作によつてはじめて検されるものであり,従つて伸展屈曲操作に対する抵抗で亢進と低下の2つに大別して考えることができよう。de-efferented musclesやde-afferented musclesにみられるような筋緊張の低下については筋電図でよく知られているから,茲では所謂筋緊張の亢進した場合でrigidity, spasticityと呼ばれる状態について考察した結果を報告する。
rigidityの筋電図 パーキンソン症候群患者を例にとつてみると,安静時に正常NMUの放電がみられ,このとき放電時系列には定常的なもの及び緩慢な動揺のあるものがみられるが,何れの場合に於いても不規則な変動の中は小さく点(τ,S)は正常筋のτ-S関係の水平部分及びその延長上に落ち,かかるrigidityを有するパ患者の随意収縮時の点(τ,S)は主としてT曲線に沿っており,系列相関々係を調べたコレログラムではγ1が負で有意の値をとる。NMU相互の関係は,安静時には全く非同期的に活動しているが,僅かに随意収縮を加えると同期化の傾向をとつてくる。
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