Japanese
English
綜説
H波及びMonosynaptic reflexとその中枢機序に及ぼす諸要因
THE H-WAVE, MONOSYNAPTIC REFLEX AND FACTORS WHICH HAVE INFLUENCES UPON THEIR CENTRAL MECHANISMS
藤森 聞一
1
Bunichi Fujimori
1
1北海道大学
1Hokkaido University
pp.823-837
発行日 1958年12月1日
Published Date 1958/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200731
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人間を対象とし,とくに下腿の伸筋であるm. gastrocnemiusとm.soleus支配のn.tibialisに経皮的に電気刺激を加え,これらの筋から誘発筋電図を導出すると,潜時数msecと30msecにも達する2種類の電位が証明される。前者は運動神経線維が刺激され,そのimpulseが直接筋に達して筋収縮をひきおこし,それに伴う波形であるのに対して,潜時の長い後者は,筋からでている太い知覚神経線維が刺激され,そのimpulseが脊髄へ伝えられ反射的に筋の収縮をひきおこし,それに基く波形であることが知られている。この方面の研究はHoffmann1)(1922)によつてはじめられたが,Magladery2)は1950年以来,人間を対象として,この脊髄反射性の波形の発現機序と臨床診断への応用に関する系統的な研究を遂げ上記の潜時の短い波形にM波,脊髄反射性の潜時の長い波形にHoffmannの名に因んでH波の名を附けた。
我が国においても1954年頃より,この誘発筋電図法による研究が始められ,藤森3)(1956),本間(伊)4)(1956),本間(三)5)(1956),山崎6)(1956),島村7)(1957),三輪8)(1958)その他森田等9)(1956)等の基礎的,臨床的業績がだされるようになり,なお本年千葉医大生理鈴木教授を班長とする文部省綜合研究班が組織された。
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